日本から海外へ! 世界へ羽ばたく高専生 —vol.7

今回のインタビューゲストは西嶋悠貴さん(木更津高専卒、東京農工大学卒、pivotal labs)

第四弾のインタビューは、木更津高専OBで、日本を離れ海外で活躍されている西嶋さんです。

今回は座談会形式で、海外での働き方や、日本と海外の違いなどを伺いました。

—今勤めている職場について

pivotal labsという会社に勤めています。

1989年に創業されて、最近はRuby on Railsでの開発を主に行っています。

アジャイル開発を行った初期の会社で、ここ数年はアジャイル開発を続けています。

この会社はPivotal Trackerを開発、運営している会社としても有名ですが、クライアントの作業を手伝ったり、スタートアップの支援を行ったりする会社です。

例としてスタートアップ支援を挙げると、まず最初に起業した方がPivotal labsから2人ほどエンジニアを雇って、起業したときのアイデアを形にしていきます。このとき、Pivotal labsのエンジニアは開発しながら起業した本人たちにシステム開発などを教えます。そして、開発が進んできたころにPivotal labsから来ているエンジニアが面接官になって、その会社のエンジニアを雇います。最後に、このエンジニアに対してPivotal labsのエンジニアが教育して、クライアントがもう自分たちでやっていけると判断したらPivotal labsのエンジニアは離れます。

会社のオフィスがさまざまなところにあり、来年にはシアトル・ワシントン・東京にできます。

日本人はニューヨークオフィスで自分ひとりですが、さまざまな国籍の人たちが働いています。

—日本と海外の違いについて

日本の人というのは仕事に重きをおいていて、なんとしても大学を卒業したら働かないといけないって言うところがありますが、身の回りのアメリカの人たち(ソフトウェアエンジニア)は家庭、家族の幸せが一番っていうところを感じています。たとえば、今日奥さんが風邪引いたから在宅で仕事しますといっても周りの人たちは変な顔をいっさいせずにどうぞどうぞという感じになります。これはリモートワークが他業種と比較して浸透しているからこういうことができるんですよね。

また、ソフトウェアを作るうえで、日本人が日本向けに作るわけではなく、いろんな国の人たちが集まって全世界向けに開発していくとなったときに、今まで気づかない、または置いておいた問題などを見なければならなくなるっていうことがあります。例を挙げると名前のフォーマットであったり、電話番号であったりです。

そして、やはり多くの人々が集まるので、多様性がありますね。住んでいる地域から始まり、各々の生活スタイルの話とか。例として挙げると、ユダヤ教の教徒さんは、毎週金曜の昼からは何もしてはいけないらしいんですが、金曜の昼になるとユダヤ教の人たちは帰りますし、ユダヤ人が経営者だと予め金曜は自宅出勤になっていたりします。

—西嶋さんと高専時代

高専在学中は、大枝先生の研究室で研究をしていました。授業以外では、野球部に所属していたり、近くの牛丼チェーン店でアルバイトをしていたりしました。

—西嶋さんと海外のなれそめ、大学生活、卒業後

私が最初に海外に渡ったのは、大学に編入した後のフィリピン留学です。姉がその時既に1年間アメリカに留学した後で、当時iOS Developer programの手続きに英語が必要で、それを姉がさらさらってこなしてくれたのを見て、ああ来年は休学して留学しようと決意しました。それで、留学するのにもアメリカに行っても費用が高く、アメリカで英語を勉強してもしゃべれるようにならない人が多いという話もあって、その時に話になったのがフィリピンでした。

そして、留学から帰ってきた後はもう一年休学できるというので、もう一年休学して、ベンチャー企業で働いたりしていました。

最初は3ヵ月くらいとある企業でアルバイトしていましたが、そのあとにLang-8に移りました。この時、開発に使用していたRuby on Railsのバージョンが2.3ぐらいだったかなと思います。1年くらいここで働いていたと思います。また、このころに高専カンファにも参加させてもらって、茨木さん(この座談会に来てくださって、以前木更津オフィスのlinux講習会の講師をしてくださった方)とかともここでお会いしたと記憶しています。

そして二年目の休学が終わった後は、大学に戻りました。留学生が多い研究室がよかったので、そこに行きました。ここでは、さまざまな言語の手書き認識を研究していました。

また、卒業後はpenguin digitalという会社で仕事をしていました。ここでは、写真を撮って、その写真が印刷とか、マグカップになったりとか・・・というサービスに携わっていました。先ほどお話しした通り、アメリカでは家族の幸せを大事にするので、結構売れるんですね。また、この会社では大学のドクターとかがアルバイトでいたりして面白かったです。

〜インタビューを終えて〜

今回は、座談会ということでインタビューというより西嶋さんの回顧録のような形でお送りさせていただきました。

西嶋さんのお話のほかにも、座談会参加者のOBたちのお話であったり、プログラムレビューであったり、開発アルバイトという新たな動きに対するフィードバックであったり、いろいろとお話を伺うことができてとてもいい時間だったと思います。

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フィードバックをいただいている様子。

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座談会参加者と西嶋さん。この光景だけでも新たなベンチャー企業のような雰囲気。

執筆者:須藤明